令和8年3月定例会において提案された「八代市長の給与減額に関する条例制定の件」につきまして、自由民主党会派は、市民の切実な声を重く受け止め、反対の立場を取りました。
その理由は、以下のとおりであります。
市長が提示されました本条例は、当初の「給料50%を2カ月減額」から「4カ月減額」という処分内容に見直されましたが、事態の深刻さと市民の不信感に対し、根本的な問題は整理されておらず、不十分であると言わざるを得ません。
まず第一に問われるべきは、事案の重大性と不誠実な対応です。時速152kmという走行は、一歩間違えれば他者の命を奪いかねない極めて危険な行為です。また、何より看過できないのは、部下の不祥事を議会で厳しく戒める立場にありながら、自らの重大な違反を3カ月間も伏せ続けていたという事実です。
この「隠蔽」とも取れる姿勢に、多くの市民が「裏切られた」という深い悲しみと憤りを感じております。
第二に、リーダーとしての「覚悟」と「危機管理意識」の欠如です。今回の不祥事により、多くの市民が注視しているのは、市長の住民票がいまだに市外にあるという事実です。
八代の未来を担うリーダーでありながら、生活の基盤を他市に置き、納税者としての重みを共有していない。それ以上に重大なのは、「災害をはじめとするあらゆる緊急事態への備え」であります。
市民の生命と財産を守る最高責任者が、いざという時に市外にいるという体制で、どうして迅速な初動対応が可能でしょうか。
日常の公務でも、152kmという速度で本宅から八代市へ急いで登庁された事実は、そのまま「有事の際に八代にいないのではないか」という不安に直結してまいります。八代に在住し、市民と寝食を共にする覚悟がなければ、真の危機管理など成し得ません。
今、市民から求められているのは、単なる事務的な給与カットではありません。市民が「これならば納得できる、もう一度信じてみよう」と思えるほどの、心からの反省と潔い姿勢であります。
全国の厳しい事例と照らし合わせても、刑事罰を伴う重大違反に対し、住民票も移さず、給料の半分は受け取り、責任を言葉だけで済ませようとする今回の提案は、あまりに自分自身に甘い判断と言わざるを得ません。
もっとも、部下の不祥事を厳しく問いながら、自らは安全な場所から不十分な処分案を提示する。このような姿勢で、誰が市長に八代の未来を託したいと思うでしょうか。
議会は、市民の皆さんの「私たちの市長であってほしい」という切なる願いを代弁すべき場所であります。今の不透明な状況のまま、この軽い処分案を認めることは、市民の信頼をさらに損なうことになると確信いたします。
以上の理由から、本条例案には反対いたしました。


