◆視察①
千歳市役所(北海道千歳市)
調査項目:千歳市の企業誘致の取組状況について
北海道千歳市では、新千歳空港に近接するという優れた交通アクセスと、豊かな水資源や自然環境を背景に、企業誘致を積極的に進めている。市内には11の工業団地が整備され、270社以上の企業が進出しており、市は新設・増設に対する補助金制度を設けるなど支援策も充実している。特に注目されるのは、次世代半導体企業ラピタスの新工場建設であり、関連産業の集積や雇用の創出が期待されている。一方で、水資源の管理、平均賃金格差、不動産価格の上昇といった新たな課題も顕在化しており、今後の対応が求められている。
◆視察②
北海道ボールパークFビレッジ(北広島市)
調査項目:エスコンフィールド視察
2023年に開業した「エスコンフィールドHOKKAIDO」は、日本ハムファイターズの新本拠地として建設され、最新設備と天然芝を備えた観戦環境が整っている。球場内にはホテルや温泉・サウナを併設する「TOWER 11」やグランピング施設もあり、野球観戦以外の観光・宿泊需要も創出している。アクセス面では北広島駅から徒歩圏にあるが、今後さらなるインフラ整備が求められている。球場建設に伴い地域開発が進み、観光・経済の活性化が期待される。こうした施設の在り方は、文化・スポーツ施設の整備を進める本市にとっても非常に参考となる事例である。

◆視察③
苫小牧市役所(北海道苫小牧市)
調査項目:苫小牧港振興に対する取組みと企業誘致について
苫小牧市では、苫小牧港を中心にした物流拠点としての機能を活かし、企業誘致と地域振興を強力に推進している。国内外との定期航路を有し、港湾貨物量・製造出荷額ともに増加傾向にあり、港周辺には約800社の企業が進出している。さらに、次世代半導体やデータセンター(ソフトバンク「Core Brain」)の進出により、新たな成長拠点として注目を集めている。市は企業へのPRパンフレット配布、助成金制度の整備などにより、積極的な企業誘致を実施しており、今後も港湾インフラを活かした産業集積が期待されている。ただし、水供給の課題や工場用地不足といった点も今後の懸念事項として挙げられている。