◆視察①

【調査事項】農業の振興について及び観光・リゾート産業の振興について

糸満市では地下ダムを活用した多品目農業が盛んで、キュウリなど8品目が県の戦略品目に指定されている。地産地消や学校給食への供給も進み、高収益をあげる新規就農者も登場。一方で耕作放棄地や施設整備が課題である。スマート農業の推進として、IoT農業支援システム「てるちゃん」の導入が始まり、作業効率の改善が見られていますが、普及は道半ばで、今後はAI活用も見据えた展開が期待されている。

糸満市は歴史・文化・自然を活かした観光資源が豊富で、施設利用者はコロナ前に年間130万人を記録。シャボン玉石けんくくる糸満など新施設の開業や伝統行事、観光農園イベントにも力を入れている。「道の駅いとまん」は県内売上トップである。市はSDGs未来都市として観光と農業を連携させた持続可能なまちづくりを推進中で、地域経済を支える多彩な支援策を展開している。

◆視察②

【調査事項】

  • 石垣島における農産物の現状と課題について
  • 市内での消費者動向と県外への販路拡大の状況について
  • 農産物及び加工品のブランド化及び販路拡大に関する取組について

石垣島は肉用牛を中心に多様な農業が行われ、特にパインアップルやカンショのブランド化が進んでいます。米の生産も盛んで、日本一早く収穫される「超早場米」は人気商品です。主力産業である「石垣牛」は、サミットでの提供を契機に全国的な知名度を得て、地域ブランドとして確立。今後は海外輸出にも注力する方針です。担い手不足が課題ですが、後継者のいる農家では高収益を上げる傾向も見られる。

◆視察③

【調査事項】石垣島における畳表の現状について 

1946年創業の本原畳店は、八重山地域全域でビーグ(い草)とミンサー柄にこだわった畳を提供しています。沖縄本島でのビーグ生産の減少を受け、2013年から石垣島での栽培を開始し、5年の試行錯誤の末に成功。八重山産ビーグは太く、耐久性・弾力性に優れ、沖縄の気候にも適している。6次産業化として「畳嫁」ブランドを立ち上げ、優秀デザイン賞を受賞した雪駄やリサイクル商品なども展開。今後は耕作放棄地の活用や畳文化の普及にも注力予定である。